看護師さんは生きかたを選択する時のベストパートナー

ガンの疑いで“死の恐怖”を実感

N3_2私の妹はガンを患い、手術や放射線治療の後、ひどいリンパ性の浮腫に苦しみながら亡2014年6月に亡くなりました。そんな風に妹を亡くして2ヶ月が過ぎたころ、がんに対する不安を解消する為に受けた血液のガン検診で、大腸・胃・肺・前立腺と、4つの部位に異常を示す数値が出たのです。その時、妹の姿が目に浮かび、“死”という恐怖が私を襲い、頭の中は真っ白になりました。

まずは確定診断にむけて病院で検査を受けたところ、大腸・胃・前立腺は、ガンではないと診断されました。残ったのは肺。肺については確定診断が出ずに、擬陽性という結果でした。「とにかくはっきりさせたい!」という思いで、数々の病院を梯子したのですが、なかなか確定には至りません。

ある病院に受診したとき、医師は軽い口調で「切った方が早いから手術しましょう」というではありませんか・・・。「え!切る?肺を切るの?」大きな不安に苛まれて不安を口にすると、医師はつかさず「肺は3分の1くらい切ってもなんてことないんですよ」と。私は反論する気にもなれず、その病院を後にしました。

仕事をしながらガンと戦うという選択

N3_3医療者にとって手術は日常茶飯事で、特別なことではないのだと思います。しかし患者にとっては重大な出来事であり、またガンで手術をした家族を亡くして間もないという精神状態では、簡単にそれを受け入れることはできません。診断を下すとき、医師とともに看護師さんがその場にいて、患者の気持ちに沿って言葉を添えてくださるだけで、救われる患者はどれほどいるだろう。そのときは、そんなことを感じました。

それからというもの、私は医学に関する本を読み漁るようになりました。それまでは楽天的な性格で、調べもせずに行動して失敗することの連続でした。でも今回だけは失敗は許されないという気持ちになって、ありとあらゆる治療を勉強しました。その後、肺ガンの確定診断を受け、たどり着いたのは、手術をしないという選択でした。

私は保険会社を経営しています。私を信頼してくださるお客様や、社員のことを考えると、私は「生きなければいけない」と思いました。でもその“生きる”というのは、ただ命を長らえるということではなく、人として、“役割を持って生きたい”と考えたのです。手術をして術後の侵襲が襲えば、仕事をすることはできません。放射線療法で苦しい時期が続けば、お客様や社員を不安に陥れてしまいます。仕事もできずに命をつなぐより、仕事をしながらガンと戦いたいというのが私の選択でした。

看護師さんは生きかたを選択する時のベストパートナー

N3_4私は、仕事を続けながら粒子線治療を受けることにしました。治療期間は入院しますが、治療の空き時間は出社して仕事をするという毎日です。そこで出会った看護師さんには、いろんな不安を聴いていただきましたが、不安な気持ちを話すだけで心が穏やかになったものです。病院には私よりも重症な人がたくさん入院されており、全員がガン患者です。だけど病院はとっても明るくて、看護師さんも笑顔いっぱい。そんな環境のおかげで気持ちも前向きになり「ガンになんて負けるものか!」という意志が高まりました。「病は気から」といわれますが、今は、「ガンに負けないという気持ちがあれば、負けないんだろうな~」という気がしています(笑)。

発症したばかりのころ、なかなか周囲に打ち明けることができませんでした。それは、周りに嫌な思いをさせるのではないかと思ったからです。しかし今は、ガンと戦う私の姿を多くの人にお伝えし、勇気を与えていきたいと考えるようになりました。今は、粒子線治療を終えて丸山ワクチンを使いながら、これまで通りに仕事を続け、”患者力を高めよう”という内容で講演をさせていただいたりもしています。

治療の重要な選択場面に、看護師さんは立ち会われることだと思います。QOLを重視しながら患者にとって何がベストな選択かを共に考え、看護師さんの言葉で勇気を与えて、患者を支えていただけたら患者は救われると思います。看護師さんは、患者が生きかたを選択する時のベストパートナーであってほしいと願っています。

 

裵さんが経営する 株式会社 グレイスインシュアランス>>>

「人に笑顔と幸せを運びたい」という気持ちで会社を経営されています。

 

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