「地域のために何かをやってほしい」と頼まれてスタート
地域連携室を担当している私は看護師でも介護の資格を持っているわけではありません。「主婦の目線で、地域の住民に喜んでもらえることをしてほしい」と言われ2020年に入職しました。最初は地元の居宅介護支援事業所をネットで調べて、ケアマネさんにあいさつに行きながら「どうすれば地域の人に喜んでもらえるができるか」「ななーるの名前をどうしたら覚えてもらえるか」を模索しました。
そうするなか2021年に以前から関わりのあったNPO法人いきいきライフ協会が運営するグループホームがコラボ施設として生まれ変わることになり、これが私にとって転機となりました。現在はここの地域連携室を兼務し、訪問看護師の役割である「介護予防」の視点から地域貢献活動を企画しています。
「ななーるカフェ」をきっかけに訪問看護を知ってもらう
私自身が子育て世代ということもあり、子どもの居場所としてもこの場を活用してもらいホームのスタッフや入居者とのかかわりでお互いが心温まる場にできないかと考えました。
まずは地元、豊中市との連携です。豊中市が行っている「子どもの居場所ネットワーク事業」では子どもたちの居場所づくりを推進していますのでフリースペースを無償で提供できるように登録をしました。これによって市役所の方とのつながりができました。
すると次に豊中市の「とよなかオレンジカフェ(認知症カフェ)」事業のマップにも登録をしてもらうことになりました。認知症患者を支える人、支えられる人が気軽に相談や話しができる場です。そういった活動に参加することによって私たちが行っている「ななーるカフェ」やグループホームのことを知っていただくきっかけにもつながりました。
「ななーるカフェ」は認知症対応型グループホーム「いきいき東豊中」の一角にあるフリースペースです。子どもから高齢者まで地域の人たちに開かれた場所にしたいという思いから開設しました。ここに来てもらうことで認知症に関心をもつ方もいるし、ななーる訪問看護ステーションがどんな活動をしているか、訪問看護とはどんなものか、グループホームについても身近に知ってもらうことにもつながっています。
4年目に入る継続活動では地域のシニアの方が毎週水曜日に「駄菓子屋」を開いています。お客さんには地域のお子さんやそのお母さんたちです。来られたお客さんからちょっとした子育てや介護の話を聞くことや相談を受けることもあり、ただの駄菓子屋ではなく心を通わせる場となっているようです。
自助共助につながる意識を高める役割を訪問看護師とともに担っていきたい
今の活動に収益性は求められることはなく自由にやらせてもらえていることはめずらしいので驚かれます。縛りがないぶん小さなことでも地域の方から依頼されたことは可能な範囲でできるだけ断らず応えるようにしています。そんなことの繰り返しがじわじわと「ななーるさんって何かいいよね」という噂が行政や医療・介護・福祉関係者に広がって地域に根差した活動につながっているように思います。
ななーる訪問看護ステーション単体ではなくてNPO法人という立場があることで視野が広がりました。地域包括ケアの観点からNPOと協働し、自助共助につながる意識を高める役割を訪問看護師とともに担っていきたいと思っています。
「ななーるカフェ」はコラボ施設として拠点を設けることができましたが、志が同じところを見つけるアンテナを張るにはいろんな人と会う地道な活動が大切です。異業種の集まりにもコラボが生まれるかも知れないので参加するという冒険もしています。知名度を上げるために活動のネーミングを工夫するとか、自分がやっていて「楽しい」「ワクワクする」を大切に何事にも興味と期待をもって仕事しています。
でも、ただ楽しいだけでなく、「何のため?」「何に貢献しているか?」は意識して、事業のパーパスと自分の行動はリンクさせているつもりです。
うちのような小さい施設だからこそできるいろんなアイデアの提案があります。そういった訪問看護ステーションが増えていけば、医療費の削減などの“大きな困りごと”になる前の段階で解消できることもあると思っています。
鈴木菜穂さん(ななーる訪問看護ステーション 地域連携室)


