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利用者さんにご安心いただけるようなサービスをつねに心掛けています

高橋美紗音さん(ピジョン訪問看護ステーション 看護管理者・共同経営者)

まったく興味のなかった訪問看護。だけどやってみたら「これだ!」と思った

新卒から3年間大学病院に就職しまして、糖尿病を中心とした総合内科的な病棟でいろんな症例の看護を経験することができました。

3年後に興味のあった美容クリニックに転職しましたがコロナ禍のタイミングで、クリニックに患者さんが少ない時期だったのです。忙しく働くなかで経験を積んでいきたいと思っていた私には向いていないと感じて転職を考えました。ちょうどそのころ以前勤めていた病院の友人が訪問看護ステーションで働いていて「うちに来ない?」と誘ってくれたのです。

訪問看護は今まで興味のなかった分野。ベテランの看護師が働く世界というイメージでしたし、知らない人の家に訪問することに正直なところ抵抗も感じていました。経験も短い私など「まだ早い」と思っていたのです。

でも実際に見ると、若い看護師も多く、相談もしやすい環境でした。そして訪問をしてみたら自分のこれまでの経験を活かした看護ができて「楽しい!」と思いました。訪問看護は病院内で働くのと違って接遇の知識や実践、社会情勢や売り上げの管理なども求められますので、看護師だけでなく一社会人としてもスキルアップできる場所だと感じました。「看護師にもこんな世界があったんだ」と視野が広がる感じがしました。

訪問先では利用者さんの身体を診るだけではなく、おうちの環境整備に取り組むこともあります。先輩たちに丁寧に教えてもらいながら、他職種と連携して利用者の生活環境を整えることの重要性を学びました。

 

骨をうずめられるような職場を探していたら、自分で立ち上げることになった

訪問看護師として働きながら、「家庭があっても、小さいお子さんがいても、みんなが遠慮せずに自分の看護を提供できる職場を作りたい」と考えるようになりました。当時の上司にそんな話をしているうちに「それじゃ自分たちでつくろうか」という話になり、看護師経験6年目の令和4年4月にピジョン訪問看護ステーションを立ち上げました。看護師3人、理学療法士2人の5人でのスタートでした。自分たちの友人たちから集まったメンバーです。“類は友を呼ぶ”なのかもしれませんね。

まったくゼロからのスタート、業務エリアは中央区と港区としました。毎日病院や居宅介護支援事業所を訪問して新規顧客の獲得に努めました。1日30件から多い日は50件回りました。

病院にいれば患者さんは次から次へと来ますが、訪問看護では自分から集客しなければ患者さんはいません。病院の看護師では経験しないことですし、それを苦手とする看護師がいることも事実です。

私だけでなく他のメンバーもそれぞれが取り組んでくれました。この創業メンバーがいなかったら立ち上げもできなかったし、スタートラインさえにも立てなかったように思います。創業メンバーは今でも欠けることなく働いています。

 

今の事業所で運営方法を確立し、10年後には都内23区全域に事業展開を目指す

現在、銀座、四谷、渋谷の3店舗を運営しています。今は看護師を育成することももちろんですが、この3店舗の所長(管理者)を育成することに力を注いでいます。管理者は病院ではあまり深く関わらなかった売上をはじめとする数字の管理や地域とのつながり、礼儀・接遇などに関わっていく必要があります。そこには訪問看護ならではのやりがいがあると思いますので、いつもどうやったら興味を持ってもらえるのかを考えています。

医療職という職種柄、売上のことを言うと「お金に汚い」と感じてしまう人もいますが、私たちの仕事は診療報酬のなかで患者さんと関わりながら社会貢献につながることなので「そうじゃないんだよ」とわかってもらうように伝えることを意識しています。

私の今の仕事の割合は「管理業務7、看護師3」くらいです。スタッフは看護師としてのアセスメント力が私よりもある人ばかりです。ですから私も当然、看護師としてのスキルアップについても日ごろから心がけています

またオフィス業務でこもることなく外に出てドクターやケアマネに会いながら客観的に自社のあり方を見るようにしています。

今後やっていきたいことは、現在ある3店舗の運営をしっかり行って10年後には都内23区全域に事業を展開することです。そのためには管理者、看護師を育てていく必要があります。私たちの事業は制度の上に成り立っていますから、診療報酬の改定やその他制度の改定の情報などを収集しながら、自分たちの経営をどのようにしていくかを考えていかねばなりません。

現在の3店舗を運営するなかで利益を上げる、スタッフを育成して定着させるなどの方法を確立させて事業拡大をしていく。

ご依頼があるということは地域の皆様から評価をいただいているということ。今後もご利用者さんに安心していただけるサービスを提供できることをたいせつにしていきたいと考えています。